SetIndexDrawBegin関数|MT4インディケータの線の描画開始位置を指定する方法
佐川直弘(株式会社トリロジー取締役)
MetaTrader 4(MT4)のMQL4プログラムでカスタムインディケータを作成する際には、インディケータ線の描画開始位置を適切に設定することが重要です。この記事では、SetIndexDrawBegin()関数を使用してインディケータ線の描画開始位置を指定する方法について、初心者にもわかりやすく解説します。
インディケータ線の描画開始位置とは?
インディケータ線の描画開始位置とは、インディケータの描画を開始する左端の位置を指します。通常、インディケータは左から右へ描画されますが、例えば移動平均線などではある期間分のデータが集まらないと計算できません。このような場合、描画開始位置を指定することで、期間分のデータが集まるまでの間は描画を行わないように設定することができます。
SetIndexDrawBegin()関数の使用方法
SetIndexDrawBegin()関数を使用すると、インディケータ線の描画開始位置を指定することができます。この関数の仕様は以下の通りです。
- 関数仕様
- void SetIndexDrawBegin(int index, int begin)
引数の説明
- index
- インディケータ配列インデックス番号(0~7)
- begin
- 描画を開始するバー個数
この関数は、指定されたインデックス番号のインディケータ配列に対して、描画開始位置を指定します。デフォルトでは描画開始位置は0が設定されており、全てのデータを描画します。
以下に、SetIndexDrawBegin()関数を使用してインディケータ線の描画開始位置を指定するサンプルコードを示します。
- サンプルコード
- #property indicator_separate_window
#property indicator_buffers 1
#property indicator_color1 Silver
//—- インディケータパラメータ
extern int SignalSMA = 9; // シグナルSMAの期間
//—- インディケータバッファ
double ind_buffer1[]; // インディケータのバッファ
// カスタムインディケータの初期化関数
int init() {
//—- インディケータバッファの設定
IndicatorBuffers(1);
//—- 描画設定
SetIndexStyle(0, DRAW_LINE);
SetIndexDrawBegin(0, SignalSMA); // SignalSMA期間分のデータが集まるまで描画を開始しない
IndicatorDigits(MarketInfo(Symbol(), MODE_DIGITS) + 2);
//—- インディケータバッファのマッピング
SetIndexBuffer(0, ind_buffer1);
//—- データウィンドウおよびインディケータサブウィンドウラベルの名前
IndicatorShortName(“Custom Indicator with Draw Begin");
return (0);
}
このサンプルコードでは、以下のことを行っています。
- `#property`ディレクティブを使って、インディケータの設定を行います。
- 外部パラメータ(`SignalSMA`)を宣言します。
- グローバル変数としてインディケータ配列(`ind_buffer1`)を宣言します。
- `init()`関数内で、`IndicatorBuffers()`関数を使って配列の個数を設定します。
- `SetIndexStyle()`関数を使って、インディケータ線のスタイルを設定します。
- `SetIndexDrawBegin()`関数を使って、SignalSMA期間分のデータが集まるまで描画を開始しないように設定します。
- `SetIndexBuffer()`関数を使って、配列の領域を確保します。
- `IndicatorShortName()`関数を使って、インディケータの短縮名称を設定します。
まとめ
インディケータ線の描画開始位置を適切に設定することで、チャート上の視認性が向上し、トレードの精度も向上します。MQL4のSetIndexDrawBegin()関数を使用することで、簡単に描画開始位置を指定し、カスタムインディケータをより使いやすくすることができます。初心者の方も、この基本的な使い方を理解して、実際のトレードに応用してみてください。
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