短命で終わるEAの特徴 と 永く使えるEAの特長
ダメなEAの特徴
メインロジックに思いつきの適当な売買ルールを採用
⇒ 為替相場において、人間が思いつくようなエントリー/イグジットポイントで、永く生き残るような単一のストラテジーは存在し得ません。
それを負けトレードに絞って多重にフィルタリング
⇒ 負けトレードを削除すればするほど、エントリーポイントが少なくなり、その結果意に反して未来に通用しない高勝率のEAが出来上がります。
それでもフィルタリングで取り除けない負けトレードは、バックテストをしないことでクリア
⇒ バックテスト期間のスタート日時が中途半端で、そのことに合理的な理由が見当たらないEAには注意が必要です。それには大きなドローダウンの直後から始めている等、何らかそのEAにとって不利なことを隠したいという意図が透けて見えるからです。
足の終値(始値)の判定に加え、リアルタイム判定を行っている
⇒ これはバックテストとフォワードが大きく異なるEAの特徴です。このようなEAが実運用で成績をあげられないことは、設計段階から決定しています。
EA開発にとって重要なヒストリカルデータの信頼性を議論していない
⇒ 使用する1分足ヒストリカルデータにおいて、値飛びや非連続がないことを確認し、それらを複数業者から入手すべきであると考えています。
コレを回避するには、簡易的には1分足より十分に長い足を用いたEAを作成すること
⇒ 短い足を用いたEAは、リアルフォワードとウォークフォワード1) の差が大きいため、リスク管理のロット決定が曖昧になってしまいます。
設計者自身がそのEAで実運用していない
⇒ EA開発者自身のライブ口座をmyfxbook等にて公開していないものは、購入/使用を見送るべきです。自身の口座で運用しない理由は自分自身がそのEAを信頼しておらず、販売だけを目的としているためでしょう。自身の口座で稼働させない、販売しているにも関わらずその結果を公開しないEA開発者はとても多く、これはEAの優劣を見極めるポイントとしても有効です。
Maximal drawdown値の過小評価
⇒ 統計的に意味のあるバックテスト評価において、Maximal drawdownの値をしっかりと見極めないと、投資家にとって最も重要な資金の管理ができません。実運用には、10年以上のバックテストで導かれたMaximal drawdown値の少なくとも2倍以上は起こりうると考えておくべきでしょう。
多くのVer.が存在する
⇒ EAのロジックやパラメータを見直すバージョンアップとは、そのEAがそれまでにバックテストで最適化し、証明してきた相場に対する優位性を否定することに等しい行為です。そのバージョンアップが直近の相場に過剰最適化されたものなのか、本当に必要なものなのかを判断しましょう。
永く生き残るEAの特長
提示されたバックテスト期間は長ければ長いほど良い
⇒ 付け加えるなら、長くても取引数が少ないものはよろしくありません。実運用でも1週間に1度くらいは取引がないと、稼働させ続けることがストレスになります。
バックテストの単年度評価が必要
⇒ 逆に複利運用データは、直近年の大ロットに大きく依存してしまい、正当な評価の妨げになるので不要です。
複数業者の複数ヒストリカルデータにてバックテスト比較結果がある
バックテストとフォワードの差が少ない設計思想を有している
リアルフォワードテストとウォークフォワードテストの差が少ないという結果の提示がある
myfxbookリアルフォワード公開にて、デモ口座とライブ口座の差がないことを確認できる
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1) ウォークフォワードテストとは、例えば過去5年間の4本値データを保有している場合、その4年分を用いてEAを最適化し、使用していない残り1年分で確認する方法。カーブフィッティングの度合いを開発段階で確認することができる。リアルフォワードテストとは、完成したロジックとパラメータで実際にトレードシステムを使用して確認すること。前者に比べ、信頼は高いように感じるが、確認に時間がかかることが欠点。