イントロ(算術演算の基本)|MQL4プログラミング
執筆者
佐川直弘(株式会社トリロジー取締役)
イントロダクション
MetaTrader 4 (MT4)は、広く使われているトレーディングプラットフォームであり、自動売買を可能にするMQL4というプログラミング言語を提供しています。MQL4を使うことで、トレーダーは自分のトレード戦略をプログラムに変換し、自動化することができます。この自動化の過程で重要なのが算術演算です。
算術演算の重要性
算術演算は、トレード戦略をプログラムに落とし込む際の基本的な操作です。例えば、エントリー価格とエグジット価格の差を計算して利益を求めたり、複数のインジケーターの値を組み合わせて売買シグナルを生成したりする場合に使われます。これらの操作を理解し、正確にプログラムすることで、より効果的なトレード戦略を構築することが可能になります。
算術演算の基本
ここでは、MQL4で使用する基本的な算術演算について説明します。
四則演算
MQL4では、加算、減算、乗算、および除算を簡単に行うことができます。以下にそれぞれの例を示します。
- 加算の例:
- int a = 10;
int b = 20;
int result = a + b;
Print(“加算結果: “, result);
- 減算の例:
- int a = 20;
int b = 10;
int result = a – b;
Print(“減算結果: “, result);
- 乗算の例:
- int a = 10;
int b = 20;
int result = a * b;
Print(“乗算結果: “, result);
- 除算の例:
- double a = 20.0;
double b = 10.0;
double result = a / b;
Print(“除算結果: “, result);
剰余 (Modulo)
剰余演算は、割り算の余りを求めるときに使用します。例えば、25を7で割った余りは以下のように計算します。
- 剰余演算
- int c = 25;
int d = 7;
int remainder = c % d;
Print(“剰余結果: “, remainder);
絶対値
絶対値は、数値の正負に関係なく大きさを求めるときに使用します。
- 絶対値
- double value = -15.75;
double absValue = MathAbs(value);
Print(“絶対値: “, absValue);
平方根
平方根は、ある数の平方根を求めるときに使用します。
- 平方根
- double num = 16;
double sqrtValue = MathSqrt(num);
Print(“平方根: “, sqrtValue);
累乗
累乗は、ある数のべき乗を計算する場合に使用します。
- 累乗
- double base = 2;
double exponent = 3;
double power = MathPow(base, exponent);
Print(“累乗結果: “, power);
まとめ
MQL4での算術演算は、自動売買システムを構築する上で非常に重要です。これらの基本的な操作をマスターすることで、より複雑で効果的なトレード戦略をプログラムに落とし込むことが可能になります。次回は、条件分岐やループ処理について詳しく解説しますので、お楽しみに。
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