Parabolic SAR(iSAR)関数|MT4インディケータ
佐川直弘(株式会社トリロジー取締役)
MetaTrader 4(MT4)を使ったFX自動売買において、テクニカル指標の理解と活用は非常に重要です。この記事では、Parabolic SAR(Parabolic Stop and Reverse System)インディケータについて、初心者にもわかりやすく解説します。
Parabolic SAR(iSAR)とは?
Parabolic SARは、J. Welles Wilderによって開発されたテクニカル指標で、トレンドの方向を示すために使用されます。SARは「Stop and Reverse」の略であり、トレンドの転換点を示すことができます。この指標は、トレンドが上昇しているときは価格の下に点を描き、トレンドが下降しているときは価格の上に点を描きます。
iSARの計算方法
MT4では、Parabolic SARを計算するためにiSAR()関数を使用します。この関数は以下のように定義されています。
- 関数仕様
- double iSAR(
string symbol, // 通貨ペア種類
int timeframe, // 時間軸種類
double step, // 増分(通常は0.02)
double maximum, // 最大値(通常は0.2)
int shift // 取得するバーの位置(0が最新のバーを表し、1~が過去のバーに遡っていきます)
);
この関数は、指定された通貨ペアと時間軸におけるSARの値を返します。
引数の説明
- symbol
- 通貨ペアの種類を指定します。例えば、"EURUSD"や"GBPJPY"など。
- timeframe
- 時間軸の種類を指定します。例えば、1分足(1)、5分足(5)、1時間足(60)など。
- step
- SARの増分を指定します。通常は0.02を使用します。
- maximum
- SARの最大値を指定します。通常は0.2を使用します。
- shift
- 取得するバーの位置を指定します。0が最新のバーを表し、1以上の数値が過去のバーを表します。
サンプルコード
以下に、iSAR()関数を使用して最新のバーのSAR値を取得するサンプルコードを示します。
- サンプルコード
- // EURUSDの1時間足で最新のバーのSAR値を取得する例
double sar_value = iSAR(“EURUSD", PERIOD_H1, 0.02, 0.2, 0);
Print(“EURUSDの1時間足の最新のSAR値: “, sar_value);
このサンプルコードでは、"EURUSD"の1時間足における最新のSAR値を取得し、ターミナルウィンドウに表示します。
以下は、SARを使って買いシグナルや売りシグナルを判断する簡単な例です。
- 応用例
- // EURUSDの1時間足でSARを使って買いシグナルや売りシグナルを判断する例
double sar_current = iSAR(“EURUSD", PERIOD_H1, 0.02, 0.2, 0);
double close_current = Close[0];
if (sar_current < close_current) {
Print(“買いシグナル: SARが現在の価格の下に位置しています。");
} else if (sar_current > close_current) {
Print(“売りシグナル: SARが現在の価格の上に位置しています。");
}
このコードは、SARが現在の価格の下に位置する場合に買いシグナルを、上に位置する場合に売りシグナルを生成します。
まとめ
Parabolic SAR(iSAR)インディケータは、トレンドの方向と転換点を示すための強力なツールです。MT4のiSAR()関数を使用することで、簡単にこのインディケータの値を取得し、トレード戦略に活用することができます。初心者の方も、この基本的な使い方を理解して、実際のトレードに応用してみてください。
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