Relative Strength Index(iRSI)関数|MT4インディケータ

執筆者

佐川直弘(株式会社トリロジー取締役)

MetaTrader 4(MT4)を使ったFX自動売買において、テクニカル指標の理解と活用は非常に重要です。この記事では、Relative Strength Index(RSI)インディケータについて、初心者にもわかりやすく解説します。

Relative Strength Index(RSI)とは?

RSIは、J. Welles Wilderによって開発されたテクニカル指標で、相対的な強さを測定するために使用されます。RSIは、価格の上昇と下降の比率を計算し、0から100の範囲で値を示します。通常、70以上は買われ過ぎ、30以下は売られ過ぎとされ、トレンドの転換点を示すために使用されます。

iRSIの計算方法

MT4では、RSIを計算するためにiRSI()関数を使用します。この関数は以下のように定義されています。

関数仕様
double iRSI(
    string symbol,        // 通貨ペア種類
    int timeframe,        // 時間軸種類
    int period,           // 移動平均の期間
    int applied_price,    // 価格種類
    int shift             // 取得するバーの位置(0が最新のバーを表し、1~が過去のバーに遡っていきます)
);

この関数は、指定された通貨ペアと時間軸におけるRSIの値を返します。

引数の説明

symbol
通貨ペアの種類を指定します。例えば、"EURUSD"や"GBPJPY"など。
timeframe
時間軸の種類を指定します。例えば、1分足(1)、5分足(5)、1時間足(60)など。
period
移動平均の期間を指定します。
applied_price
価格の種類を指定します。
  – `PRICE_CLOSE` – 終値
  – `PRICE_OPEN` – 始値
  – `PRICE_HIGH` – 高値
  – `PRICE_LOW` – 安値
  – `PRICE_MEDIAN` – (高値 + 安値) / 2
  – `PRICE_TYPICAL` – (高値 + 安値 + 終値) / 3
  – `PRICE_WEIGHTED` – (高値 + 安値 + 終値 * 2) / 4
shift
取得するバーの位置を指定します。0が最新のバーを表し、1以上の数値が過去のバーを表します。

サンプルコード

以下に、iRSI()関数を使用して最新のバーのRSI値を取得するサンプルコードを示します。

サンプルコード
// EURUSDの1時間足で最新のバーのRSI値を取得する例
double rsi_value = iRSI(“EURUSD", PERIOD_H1, 14, PRICE_CLOSE, 0);
Print(“EURUSDの1時間足の最新のRSI値: “, rsi_value);

このサンプルコードでは、"EURUSD"の1時間足における最新のRSI値を取得し、ターミナルウィンドウに表示します。

iRSIOnArrayの計算方法

iRSIOnArray()関数は、ユーザが作成した自由なデータを元にRSIを計算するために使用されます。この関数は、価格データを格納した配列を引数に指定します。

関数仕様
double iRSIOnArray(
    double array[],  // 価格データの配列
    int total,       // 配列のうち計算に使用する個数。全てを使用する場合は0を指定する。
    int period,      // 移動平均の期間
    int shift        // 取得するバーの位置(0が最新のバーを表し、1~が過去のバーに遡っていきます)
);

以下に、iRSIOnArray()関数を使用してRSIの値を取得するサンプルコードを示します。

サンプルコード
// 配列に格納された価格データからRSIの値を取得する例
double price_data[1000];
// price_dataには価格データが格納されていると仮定
double rsi_value_array = iRSIOnArray(price_data, 1000, 14, 0);
Print(“配列から計算されたRSI値: “, rsi_value_array);

このサンプルコードでは、配列に格納された価格データからRSIの値を計算し、ターミナルウィンドウに表示します。

以下は、RSIを使って買いシグナルや売りシグナルを判断する簡単な例です。

応用例
// EURUSDの1時間足でRSIを使って買いシグナルや売りシグナルを判断する例
double rsi_current = iRSI(“EURUSD", PERIOD_H1, 14, PRICE_CLOSE, 0);
double rsi_previous = iRSI(“EURUSD", PERIOD_H1, 14, PRICE_CLOSE, 1);

if (rsi_current > 70 && rsi_previous <= 70) {
    Print(“売りシグナル: RSIが70を超えました。");
} else if (rsi_current < 30 && rsi_previous >= 30) {
    Print(“買いシグナル: RSIが30を下回りました。");
}

このコードは、RSIが70を超えた場合に売りシグナルを、30を下回った場合に買いシグナルを生成します。

まとめ

Relative Strength Index(iRSI)インディケータは、相対的な強さを測定するための強力なツールです。MT4のiRSI()およびiRSIOnArray()関数を使用することで、簡単にこのインディケータの値を取得し、トレード戦略に活用することができます。初心者の方も、この基本的な使い方を理解して、実際のトレードに応用してみてください。

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Posted by 佐川直弘