On Balance Volume(iOBV)関数|MT4インディケータ
執筆者
佐川直弘(株式会社トリロジー取締役)
MetaTrader 4(MT4)を使ったFX自動売買において、テクニカル指標の理解と活用は非常に重要です。この記事では、On Balance Volume(iOBV)インディケータについて、初心者にもわかりやすく解説します。
On Balance Volume(iOBV)とは?
On Balance Volume(OBV)は、ジョセフ・グランヴィルによって開発されたテクニカル指標で、取引量と価格の変動を組み合わせて市場の動向を予測します。OBVは、取引量の累積を計算し、価格の変動に応じて増減させることで、市場のトレンドを把握するのに役立ちます。
iOBVの計算方法
MT4では、On Balance Volumeを計算するためにiOBV()関数を使用します。この関数は以下のように定義されています。
- 関数仕様
- double iOBV(
string symbol, // 通貨ペア種類
int timeframe, // 時間軸種類
int applied_price, // 価格種類
int shift // 取得するバーの位置(0が最新のバーを表し、1~が過去のバーに遡っていきます)
);
この関数は、指定された通貨ペアと時間軸におけるOBVの値を返します。
引数の説明
- symbol
- 通貨ペアの種類を指定します。例えば、"EURUSD"や"GBPJPY"など。
- timeframe
- 時間軸の種類を指定します。例えば、1分足(1)、5分足(5)、1時間足(60)など。
- applied_price
- 価格の種類を指定します。
– `PRICE_CLOSE` – 終値
– `PRICE_OPEN` – 始値
– `PRICE_HIGH` – 高値
– `PRICE_LOW` – 安値
– `PRICE_MEDIAN` – (高値 + 安値) / 2
– `PRICE_TYPICAL` – (高値 + 安値 + 終値) / 3
– `PRICE_WEIGHTED` – (高値 + 安値 + 終値 * 2) / 4 - shift
- 取得するバーの位置を指定します。0が最新のバーを表し、1以上の数値が過去のバーを表します。
サンプルコード
以下に、iOBV()関数を使用して最新のバーのOBV値を取得するサンプルコードを示します。
- サンプルコード
- // EURUSDの1時間足で最新のバーのOBV値を取得する例
double obv_value = iOBV(“EURUSD", PERIOD_H1, PRICE_CLOSE, 0);
Print(“EURUSDの1時間足の最新のOBV値: “, obv_value);
このサンプルコードでは、"EURUSD"の1時間足における最新のOBV値を取得し、ターミナルウィンドウに表示します。
以下は、OBVを使って買いシグナルや売りシグナルを判断する簡単な例です。
- 応用例
- // EURUSDの1時間足でOBVを使って買いシグナルや売りシグナルを判断する例
double obv_current = iOBV(“EURUSD", PERIOD_H1, PRICE_CLOSE, 0);
double obv_previous = iOBV(“EURUSD", PERIOD_H1, PRICE_CLOSE, 1);
if (obv_current > obv_previous) {
Print(“買いシグナル: OBVが増加しています。");
} else if (obv_current < obv_previous) {
Print(“売りシグナル: OBVが減少しています。");
}
このコードは、OBVが増加した場合に買いシグナルを、減少した場合に売りシグナルを生成します。
まとめ
On Balance Volume(iOBV)インディケータは、取引量と価格の変動を組み合わせて市場の動向を予測するための強力なツールです。MT4のiOBV()関数を使用することで、簡単にこのインディケータの値を取得し、トレード戦略に活用することができます。初心者の方も、この基本的な使い方を理解して、実際のトレードに応用してみてください。
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