IndicatorShortName関数|MT4インジケータの名称を設定する方法
執筆者
佐川直弘(株式会社トリロジー取締役)
MetaTrader 4(MT4)のMQL4プログラムでカスタムインディケータを作成する際には、インディケータの名称を適切に設定することが重要です。この記事では、IndicatorShortName()関数を使用してインディケータの名称を設定する方法について、初心者にもわかりやすく解説します。
インディケータの名称(Short Name)とは?
インディケータの名称(Short Name)は、インディケータのファイル名とは異なり、チャートのサブウィンドウやデータウィンドウに表示される名前です。この名前は一意である必要はなく、同じ名称を複数のインディケータに設定することができます。これにより、ユーザーはインディケータをより簡単に識別することができます。
IndicatorShortName()関数の使用方法
IndicatorShortName()関数を使用すると、インディケータの短縮名称を設定することができます。この関数の仕様は以下の通りです。
- 関数仕様
- void IndicatorShortName(string name)
引数の説明
- name
- インディケータ名称(Short Name)
この関数は、指定された名前をインディケータの短縮名称として設定し、サブウィンドウやデータウィンドウに表示します。
以下に、IndicatorShortName()関数を使用してインディケータの名称を設定するサンプルコードを示します。
- サンプルコード
- #property indicator_separate_window
#property indicator_buffers 3
#property indicator_color1 Silver
#property indicator_color2 Blue
#property indicator_color3 Red
//—- インディケータパラメータ
extern int FastEMA = 12; // 高速EMAの期間
extern int SlowEMA = 26; // 低速EMAの期間
extern int SignalSMA = 9; // シグナルSMAの期間
//—- インディケータバッファ
double ind_buffer1[]; // インディケータのバッファ1
double ind_buffer2[]; // インディケータのバッファ2
double ind_buffer3[]; // インディケータのバッファ3
// カスタムインディケータの初期化関数
int init() {
//—- インディケータバッファの設定
IndicatorBuffers(3);
//—- 描画設定
SetIndexStyle(0, DRAW_HISTOGRAM, STYLE_SOLID, 3);
SetIndexDrawBegin(0, SignalSMA);
IndicatorDigits(MarketInfo(Symbol(), MODE_DIGITS) + 2);
//—- インディケータバッファのマッピング
SetIndexBuffer(0, ind_buffer1);
SetIndexBuffer(1, ind_buffer2);
SetIndexBuffer(2, ind_buffer3);
//—- データウィンドウおよびインディケータサブウィンドウラベルの名前
IndicatorShortName(“Custom OsMA Indicator (" + FastEMA + “," + SlowEMA + “," + SignalSMA + “)");
return (0);
}
このサンプルコードでは、以下のことを行っています。
- `#property`ディレクティブを使って、インディケータの設定を行います。
- 外部パラメータ(`FastEMA`、`SlowEMA`、`SignalSMA`)を宣言します。
- グローバル変数としてインディケータ配列(`ind_buffer1`、`ind_buffer2`、`ind_buffer3`)を宣言します。
- `init()`関数内で、`IndicatorBuffers()`関数を使って配列の個数を設定します。
- `SetIndexBuffer()`関数を使って、各配列の領域を確保します。
- `IndicatorShortName()`関数を使って、インディケータの短縮名称を設定します。
まとめ
インディケータの短縮名称を正しく設定することで、ユーザーはチャートのサブウィンドウやデータウィンドウでインディケータを簡単に識別できます。MQL4のIndicatorShortName()関数を使用することで、簡単に名称を設定し、カスタムインディケータをより使いやすくすることができます。初心者の方も、この基本的な使い方を理解して、実際のトレードに応用してみてください。
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