IndicatorBuffers関数、SetIndexBuffer関数|MT4インジケータの配列を定義する方法

執筆者

佐川直弘(株式会社トリロジー取締役)

MetaTrader 4(MT4)のMQL4プログラムでカスタムインディケータを作成する際には、インディケータ配列の定義が重要です。この記事では、インディケータ配列を定義する方法について、初心者にもわかりやすく解説します。

インディケータ配列とは?

インディケータ配列は、インディケータの計算結果を格納するための配列です。MQL4では、インディケータの描画や計算に必要なデータをこれらの配列に保存し、それを元にチャートに表示します。

インディケータ配列の定義方法

インディケータ配列を定義するには、`IndicatorBuffers()`関数を使って事前に配列の個数を定義し、`SetIndexBuffer()`関数を使って各配列の領域を確保します。以下に、その手順を示します。

IndicatorBuffers関数

`IndicatorBuffers()`関数は、インディケータ配列の個数を設定します。この関数の仕様は以下の通りです。

関数仕様
void IndicatorBuffers(int count)

引数の説明

count
インディケータ配列の個数。`indicator_buffers`プロパティの値以上、最大8個まで定義可能です。

SetIndexBuffer関数

`SetIndexBuffer()`関数は、インディケータ配列を設定します。この関数の仕様は以下の通りです。

関数仕様
bool SetIndexBuffer(int index, double array[])

引数の説明

index
インディケータ配列のインデックス番号(0~7)。
array[]
インディケータ配列として割り当てるグローバル変数(配列)。

以下に、`IndicatorBuffers()`および`SetIndexBuffer()`関数を使用してインディケータ配列を定義するサンプルコードを示します。

サンプルコード
#property indicator_separate_window
#property indicator_buffers 3
#property indicator_color1 Silver
#property indicator_color2 Blue
#property indicator_color3 Red
//—- インディケータのパラメータ
extern int FastEMA = 12; // 高速EMAの期間
extern int SlowEMA = 26; // 低速EMAの期間
extern int SignalSMA = 9; // シグナルSMAの期間
//—- インディケータバッファ
double ind_buffer1[]; // インディケータのバッファ1
double ind_buffer2[]; // インディケータのバッファ2
double ind_buffer3[]; // インディケータのバッファ3
// カスタムインディケータの初期化関数
int init() {
    //—- 計算のために3つの追加バッファを使用します。
    IndicatorBuffers(3);
    //—- 描画設定
    SetIndexStyle(0, DRAW_HISTOGRAM, STYLE_SOLID, 3);
    SetIndexDrawBegin(0, SignalSMA);
    IndicatorDigits(MarketInfo(Symbol(), MODE_DIGITS) + 2);
    //—- 3つのインディケータバッファのマッピング
    SetIndexBuffer(0, ind_buffer1);
    SetIndexBuffer(1, ind_buffer2);
    SetIndexBuffer(2, ind_buffer3);
    //—- データウィンドウおよびインディケータサブウィンドウラベルの名前
    IndicatorShortName(“CustomOsMA(" + FastEMA + “," + SlowEMA + “," + SignalSMA + “)");
    return (0);
}

このサンプルコードでは、以下のことを行っています。

  1. `#property`ディレクティブを使って、インディケータの設定を行います。
  2. 外部パラメータ(`FastEMA`、`SlowEMA`、`SignalSMA`)を宣言します。
  3. グローバル変数としてインディケータ配列(`ind_buffer1`、`ind_buffer2`、`ind_buffer3`)を宣言します。
  4. `init()`関数内で、`IndicatorBuffers()`関数を使って配列の個数を設定します。
  5. `SetIndexBuffer()`関数を使って、各配列の領域を確保します。

まとめ

インディケータ配列を正しく定義することで、カスタムインディケータの計算結果を適切にチャートに表示することができます。MQL4の`IndicatorBuffers()`および`SetIndexBuffer()`関数を使用することで、簡単に配列を設定し、カスタムインディケータを作成することができます。初心者の方も、この基本的な使い方を理解して、実際のトレードに応用してみてください。

MQL4

Posted by 佐川直弘