Gator Oscillator(iGator)関数|MT4インディケータ
佐川直弘(株式会社トリロジー取締役)
MetaTrader 4(MT4)を使ったFX自動売買において、テクニカル指標の理解と活用は非常に重要です。この記事では、Gator Oscillator(iGator)インディケータについて、初心者にもわかりやすく解説します。
Gator Oscillator(iGator)とは?
Gator Oscillatorは、ビル・ウィリアムズによって開発されたテクニカル指標で、トレンドの強さと持続期間を評価するために使用されます。このオシレータは、Alligatorインディケータのライン間の差分を計算し、ヒストグラムとして表示します。具体的には、Alligatorの青色と赤色の線の差分を上側のヒストグラム、赤色と緑色の線の差分を下側のヒストグラムに表示します。
iGatorの計算方法
MT4では、Gator Oscillatorを計算するためにiGator()関数を使用します。この関数は以下のように定義されています。
- 関数仕様
- double iGator(
string symbol, // 通貨ペア種類
int timeframe, // 時間軸種類
int jaw_period, // Alligator’s Jaw(blue) 移動平均の期間
int jaw_shift, // Alligator’s Jaw移動平均をシフトするバーの数(右方向へシフト)
int teeth_period, // Alligator’s Teeth(red) 移動平均の期間
int teeth_shift, // Alligator’s Teeth移動平均をシフトするバーの数(右方向へシフト)
int lips_period, // Alligator’s Lips(green) 移動平均の期間
int lips_shift, // Alligator’s Lips移動平均をシフトするバーの数(右方向へシフト)
int ma_method, // 移動平均線種類
int applied_price,// 価格種類
int mode, // インディケータライン種類
int shift // 取得するバーの位置(0が最新のバーを表し、1~が過去のバーに遡っていきます)
);
この関数は、指定された通貨ペアと時間軸におけるGator Oscillatorの値を返します。
引数の説明
- symbol
- 通貨ペアの種類を指定します。例えば、"EURUSD"や"GBPJPY"など。
- timeframe
- 時間軸の種類を指定します。例えば、1分足(1)、5分足(5)、1時間足(60)など。
- jaw_period
- AlligatorのJaw(青色)の移動平均期間を指定します。
- jaw_shift
- AlligatorのJaw移動平均をシフトするバーの数を指定します。
- teeth_period
- AlligatorのTeeth(赤色)の移動平均期間を指定します。
- teeth_shift
- AlligatorのTeeth移動平均をシフトするバーの数を指定します。
- lips_period
- AlligatorのLips(緑色)の移動平均期間を指定します。
- lips_shift
- AlligatorのLips移動平均をシフトするバーの数を指定します。
- ma_method
- 移動平均の計算方法を指定します。
- applied_price
- 価格の種類を指定します。
- mode
- インディケータラインの種類を指定します。
- shift
- 取得するバーの位置を指定します。
サンプルコード
以下に、iGator()関数を使用して最新のバーのGator Oscillator値を取得するサンプルコードを示します。
- サンプルコード
- // EURUSDの1時間足で最新のバーのGator Oscillator値を取得する例
double jaw_val = iGator(“EURUSD", PERIOD_H1, 13, 8, 8, 5, 5, 3, MODE_SMMA, PRICE_MEDIAN, MODE_UPPER, 0);
Print(“EURUSDの1時間足の最新のGator Oscillator値: “, jaw_val);
このサンプルコードでは、"EURUSD"の1時間足における最新のGator Oscillator値を取得し、ターミナルウィンドウに表示します。
以下は、Gator Oscillatorを使ってトレンドの強さを評価する簡単な例です。
- 応用例
- // EURUSDの1時間足でGator Oscillatorを使ってトレンドの強さを評価する例
double upper_gator = iGator(“EURUSD", PERIOD_H1, 13, 8, 8, 5, 5, 3, MODE_SMMA, PRICE_MEDIAN, MODE_UPPER, 0);
double lower_gator = iGator(“EURUSD", PERIOD_H1, 13, 8, 8, 5, 5, 3, MODE_SMMA, PRICE_MEDIAN, MODE_LOWER, 0);
if (upper_gator > 0 && lower_gator > 0) {
Print(“強い上昇トレンド: Gator Oscillatorの上部と下部のヒストグラムがともに正の値です。");
} else if (upper_gator < 0 && lower_gator < 0) {
Print(“強い下降トレンド: Gator Oscillatorの上部と下部のヒストグラムがともに負の値です。");
} else {
Print(“トレンドの強さが不明: Gator Oscillatorの上部と下部のヒストグラムの値が異なります。");
}
このコードは、Gator Oscillatorの上部と下部のヒストグラムの値を比較して、トレンドの強さを評価します。
まとめ
Gator Oscillator(iGator)インディケータは、トレンドの強さと持続期間を評価するための強力なツールです。MT4のiGator()関数を使用することで、簡単にこのインディケータの値を取得し、トレード戦略に活用することができます。初心者の方も、この基本的な使い方を理解して、実際のトレードに応用してみてください。
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