Bears Power(iBearsPower)関数|MT4インディケータ

2024年9月5日

執筆者

佐川直弘(株式会社トリロジー取締役)

MetaTrader 4(MT4)を使ったFX自動売買において、テクニカル指標の理解と活用は非常に重要です。この記事では、Bears Power(iBearsPower)インディケータについて、初心者にもわかりやすく解説します。

Bears Power(iBearsPower)とは?

Bears Powerインディケータは、マーケットの売り圧力を測定するためのツールです。具体的には、一定期間内の最低価格と移動平均の差を計算することで、売り手の強さを評価します。Bears Powerは、トレンドの反転を見極めるために使用されることが多く、特に下降トレンドの終わりを示すシグナルとして役立ちます。

iBearsPowerの計算方法

MT4では、iBearsPowerを計算するためにiBearsPower()関数を使用します。この関数は以下のように定義されています。

関数仕様
double iBearsPower(
    string symbol,    // 通貨ペア種類
    int timeframe,    // 時間軸種類
    int period,       // 移動平均の期間
    int applied_price,// 価格種類
    int shift         // 取得するバーの位置(0が最新のバーを表し、1~が過去のバーに遡っていきます)
);

この関数は、指定された通貨ペアと時間軸におけるBears Powerの値を返します。

引数の説明

symbol
通貨ペアの種類を指定します。例えば、"EURUSD"や"GBPJPY"など。
timeframe
時間軸の種類を指定します。例えば、1分足(1)、5分足(5)、1時間足(60)など。
period
移動平均の期間を指定します。
applied_price
価格の種類を指定します。例えば、価格の終値(PRICE_CLOSE)など。
shift
取得するバーの位置を指定します。0が最新のバーを表し、1以上の数値が過去のバーを表します。

サンプルコード

以下に、iBearsPower()関数を使用して最新のバーのBears Power値を取得するサンプルコードを示します。

サンプルコード
// EURUSDの1時間足で最新のバーのBears Power値を取得する例
double bears_power_value = iBearsPower(“EURUSD", PERIOD_H1, 13, PRICE_CLOSE, 0);
Print(“EURUSDの1時間足の最新のBears Power値: “, bears_power_value);

このサンプルコードでは、"EURUSD"の1時間足における最新のBears Power値を取得し、ターミナルウィンドウに表示します。

以下は、Bears Power値を使ってトレンドの反転を判断する簡単な例です。

応用例
// EURUSDの1時間足でBears Power値を使ってトレンドの反転を判断する例
double bears_power_current = iBearsPower(“EURUSD", PERIOD_H1, 13, PRICE_CLOSE, 0);
double bears_power_previous = iBearsPower(“EURUSD", PERIOD_H1, 13, PRICE_CLOSE, 1);

if (bears_power_current > bears_power_previous) {
    Print(“売り圧力が弱まっています。買いシグナルの可能性があります。");
} else {
    Print(“売り圧力が強まっています。売りシグナルの可能性があります。");
}

このコードは、現在のBears Power値が前回の値より高い場合に売り圧力が弱まっていると判断し、買いシグナルの可能性があることを示します。

まとめ

Bears Power(iBearsPower)インディケータは、マーケットの売り圧力を評価するための強力なツールです。MT4のiBearsPower()関数を使用することで、簡単にこのインディケータの値を取得し、トレード戦略に活用することができます。初心者の方も、この基本的な使い方を理解して、実際のトレードに応用してみてください。

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Posted by 佐川直弘