複利運用(Compound Interest)

2024年8月15日

執筆者

【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269

複利運用(Compound Interest)は、元本に対する利息だけでなく、利息そのものにも利息が付く運用方法です。この運用方法は、時間が経つにつれて資産が指数関数的に増加するため、長期的な投資において非常に強力な効果を持ちます。以下に、複利運用の基本概念、計算方法、利点とデメリット、具体的な活用方法について詳しく説明します。

複利運用の基本概念

定義
複利運用とは、元本に対して付与される利息が次の期間の元本に加算され、その合計に対してさらに利息が付く運用方法です。これにより、時間が経つにつれて元本と利息の合計が増加し、さらにその増加分に対しても利息が付くため、資産が加速度的に増加します。
複利と単利の違い
単利:元本に対してのみ利息が付与される。利息は元本に加算されず、毎期一定の額が支払われる。
複利:元本と過去の利息に対しても利息が付与される。利息は元本に加算され、その合計に対して次の期間の利息が計算される。

複利運用の計算方法

基本的な複利計算式:

複利計算の基本式は以下の通りです。

  • A = P (1 + r / n)nt
  • A : 将来価値(最終的な金額)
  • P : 元本(初期投資額)
  • r : 年利率
  • n : 年間の複利計算回数
  • t : 投資期間(年数)
例:元本が1000ドル、年利率が5%、毎年1回複利計算を行う場合、10年後の将来価値は:
A = 1000(1 + 0.05 / 1)1 x 10 = 1000(1 + 0.05)10 1000 x 1.62889 = 1628.89

連続複利計算式(より精密な計算が必要な場合):

連続複利計算の式は以下の通りです:

  • A = Pert
  • e : ネイピア数(約2.71828)

複利運用の利点とデメリット

利点:

時間による資産増加
長期間にわたる複利運用は、元本と利息の両方に対して利息が付くため、資産が加速度的に増加します。
パッシブな成長
複利運用は、追加の投資を行わずに資産を増加させる方法です。元本と利息の再投資によって、パッシブに資産を増加させることができます。
リスク分散
長期的な複利運用は、短期的な市場の変動に対してリスクを分散させる効果があります。

デメリット

初期段階での成長の遅さ
複利効果は時間が経つほど顕著になりますが、初期段階では成長が緩やかです。
市場リスク
長期間にわたる運用には市場リスクが伴います。特に投資対象が株式や不動産などのリスク資産である場合、市場の変動によるリスクが存在します。
インフレリスク
長期間にわたる運用では、インフレによる購買力の低下が影響を及ぼす可能性があります。

複利運用の具体的な活用方法

退職資金の積立
複利運用は退職資金の積立に最適です。若い頃から定期的に投資を行い、長期間にわたって複利効果を活用することで、老後の資産を大きく増やすことができます。
教育資金の準備
子供の教育資金を長期間にわたって積み立てる場合、複利運用を活用することで効率的に資金を準備できます。
投資信託やETF
投資信託やETFを利用して定期的に投資を行い、複利効果を最大限に活用することで、分散投資をしながら資産を増加させることができます。

まとめ

複利運用(Compound Interest)は、元本と利息に対して利息が付く運用方法であり、時間をかけて資産を指数関数的に増加させる強力な手法です。計算方法や効果を理解し、適切に活用することで、退職資金の積立や教育資金の準備、長期的な投資戦略などに役立てることができます。複利運用の利点を最大限に引き出すためには、早期からの投資と継続的な運用が重要です。

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