ウィリアムズ%R(Williams %R)

執筆者

【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269

ウィリアムズ%R(Williams %R)は、テクニカル分析においてオシレーターとして使用される指標で、特にトレンドの反転点を見極めるために利用されます。この指標は、ラリー・ウィリアムズによって開発され、過去の一定期間の価格レンジに対する現在の価格位置を測定することで、買われすぎや売られすぎの状態を示します。

ウィリアムズ%Rの基本概念

定義
ウィリアムズ%Rは、一定期間内の高値と安値に対する現在の価格の位置を表します。値は-100から0の範囲で示され、-100に近い値は売られすぎ、0に近い値は買われすぎを示します。
計算方法
ウィリアムズ%Rの計算式は以下の通りです:

%R = (最高値 – 現在の価格) / (最高値 – 最安値) x -100

ここで、最高値と最安値は指定された期間内の値を使用します(一般的には14期間)。
解釈
値が-20以上(0に近い):買われすぎを示し、価格の反転下落が予想されます。
値が-80以下(-100に近い):売られすぎを示し、価格の反転上昇が予想されます。

ウィリアムズ%Rの使用方法

買いシグナル
ウィリアムズ%Rが-80以下の売られすぎゾーンから上昇して抜ける場合、買いシグナルとして解釈されます。これは、価格が底を打ち、上昇トレンドに転じる可能性を示唆します。
売りシグナル
ウィリアムズ%Rが-20以上の買われすぎゾーンから下降して抜ける場合、売りシグナルとして解釈されます。これは、価格が天井を打ち、下降トレンドに転じる可能性を示唆します。
ダイバージェンス
ウィリアムズ%Rと価格の動きが逆行するダイバージェンスも重要なシグナルです。例えば、価格が新高値を更新しているにもかかわらず、ウィリアムズ%Rが新高値を更新しない場合、価格の反転下落の兆候として解釈されます。

ウィリアムズ%Rの利点

シンプルな計算
計算がシンプルで理解しやすく、初心者でも容易に利用できるテクニカル指標です。
明確なシグナル
買われすぎや売られすぎのレベルが明確に示されるため、トレンドの反転点を見極めるのに役立ちます。
早期のシグナル
トレンドの反転を早期に検出することができ、エントリーおよびエグジットポイントを迅速に見つけるのに役立ちます。

ウィリアムズ%Rのデメリット

偽シグナルの発生
他のオシレーターと同様に、偽シグナルが発生することがあります。トレンドの強い市場環境では、売られすぎや買われすぎの状態が長期間続くことがあります。
レンジ相場での精度低下
レンジ相場やボラティリティの低い市場環境では、シグナルの精度が低下することがあります。
他の指標との併用が必要
単独で使用する場合、誤ったシグナルを生成する可能性があるため、他のテクニカル指標(移動平均、RSI、MACDなど)と併用することが推奨されます。

ウィリアムズ%Rの具体例

例1:買いシグナル
状況:株価が下降トレンドにあり、ウィリアムズ%Rが-85を示しています。その後、ウィリアムズ%Rが-80を上抜けます。
解釈:この場合、売られすぎゾーンからの上抜けが確認されたため、買いシグナルと解釈されます。トレーダーはこのシグナルを基に買いポジションを検討します。
例2:売りシグナル
状況:株価が上昇トレンドにあり、ウィリアムズ%Rが-10を示しています。その後、ウィリアムズ%Rが-20を下抜けます。
解釈:この場合、買われすぎゾーンからの下抜けが確認されたため、売りシグナルと解釈されます。トレーダーはこのシグナルを基に売りポジションを検討します。

まとめ

ウィリアムズ%R(Williams %R)は、トレンドの反転点を見極めるための効果的なオシレーターです。一定期間内の価格レンジに対する現在の価格位置を測定し、買われすぎや売られすぎの状態を示します。シンプルな計算と明確なシグナルが特徴ですが、偽シグナルのリスクや他の指標との併用が必要です。ウィリアムズ%Rを活用することで、トレンドの転換点を見極め、効果的なトレード戦略を構築することが可能です。

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