ニューヨーク・マーカンタイル取引所(New York Mercantile Exchange)

執筆者

【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269

ニューヨーク・マーカンタイル取引所(New York Mercantile Exchange, NYMEX)は、世界最大のエネルギーおよび金属デリバティブ取引所の一つであり、特に石油、天然ガス、貴金属、農産物などの商品先物取引で知られています。NYMEXは、エネルギー市場の指標価格を形成する主要な取引所として、グローバルに影響を与える重要な役割を果たしています。

歴史と概要

設立と発展:
NYMEXは、1872年に「Butter and Cheese Exchange of New York」として設立され、その後、乳製品や農産物の取引を中心に発展しました。1882年に「New York Mercantile Exchange」として改名され、20世紀後半にはエネルギー取引に特化するようになり、特に原油先物取引で世界的に重要な取引所となりました。
CMEグループへの統合:
2008年、NYMEXはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME: Chicago Mercantile Exchange)に統合され、CMEグループの一部となりました。これにより、NYMEXはグローバルな取引ネットワークの中で、より大きな役割を果たすようになりました。

主要な取引商品

NYMEXでは、以下のような主要な商品が取引されています:

原油(WTI原油先物):
WTI(West Texas Intermediate)原油先物は、NYMEXで取引される代表的な商品であり、世界中の原油価格の指標として広く利用されています。WTI原油先物は、毎日の価格形成に大きな影響を与え、グローバルなエネルギー市場の指標となっています。
天然ガス:
天然ガス先物もNYMEXで広く取引されており、エネルギー市場における重要な商品です。天然ガス価格は、季節的な需要変動や地政学的リスクの影響を強く受けます。
貴金属(ゴールド、シルバーなど):
ゴールドやシルバーの先物取引は、投資家がインフレーションや通貨リスクから資産を保護する手段として利用されています。これらの貴金属先物は、NYMEXでの取引量が多く、世界的な価格形成に影響を与えます。
その他のエネルギー商品:
さらに、ヒーティングオイル、ガソリン、プロパンなどのエネルギー商品もNYMEXで活発に取引されています。これらの商品は、季節的な需要や供給チェーンの変動により価格が変動します。

取引の仕組みと電子取引

オープンアウトクライと電子取引:
かつてNYMEXでは、取引が取引フロアでの「オープンアウトクライ」方式で行われていましたが、現在は電子取引プラットフォームが主流となっています。CMEグループの電子取引システム「Globex」を通じて、トレーダーは世界中から24時間取引を行うことができます。
価格形成と市場への影響:
NYMEXでの取引は、エネルギー市場全体の価格形成に大きな影響を与えます。特に、原油や天然ガスなどのエネルギー商品は、地政学的リスクや経済指標の発表などによって価格が大きく変動することがあり、その影響は世界中の市場に波及します。

役割と影響

NYMEXは、エネルギー市場における主要な指標価格を提供し、エネルギーの取引において重要な役割を果たしています。原油や天然ガスなどのエネルギー商品の価格動向は、経済活動全体に影響を及ぼし、特に輸送や製造業などのエネルギー依存度の高い産業に大きな影響を与えます。

さらに、NYMEXでの取引は、投資家や企業がエネルギー価格のリスクを管理するための重要な手段となっており、エネルギー市場の透明性と効率性を高める役割を果たしています。

参考サイト

EA EAPO
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