マーチンゲール法
執筆者
【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269
マーチンゲール法は、主にギャンブルや投資において用いられる戦略(ベッティングルール)の一つで、負けた場合に次のベット(または投資)額を倍にすることで、最終的に一度でも勝てば損失を取り戻すことを目的としています。この手法の基本的な概念と応用について詳しく説明します。
- ベッティングルールに共通する注意事項
- FXにおいて、ベッティングルールはリスクと引き換えの飛び道具です。基本となるトレードロジックのブラッシュアップを抜きに安易に採用するべきではありません。ベッティングルールがロットを上げていくための安直な口実を作ることにもなり、また、海外FX詐欺に利用されていることには注意が必要です
- オンラインカジノに共通する注意事項
- 海外で合法的に運営されているオンラインカジノでも、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪になるため注意が必要です。
マーチンゲール法の基本概念
基本的なルール:
- 最初の賭け金を決める:まず、最初にベットする金額(ロット)を設定します。例えば、最初の賭け金を$10とします。
- 勝った場合:勝った場合は、最初の賭け金(ロット)に戻ります。例えば、$10で勝てば次の賭け金(ロット)も再び$10になります。
- 負けた場合:負けた場合は、次の賭け金を前回の2倍にします。例えば、$10で負けたら次は$20、次に負けたら$40、さらに負けたら$80というように2倍にしていきます。
- 最終的な目標:最終的に一度でも勝てば、それまでの全ての損失を取り戻し、さらに最初の賭け金分の利益が得られます。
マーチンゲール法の利点と欠点
利点:
- 簡単なルール:ルールがシンプルで理解しやすいため、初心者でも実践しやすい。
- 一度の勝利で損失をカバー:理論上、一度の勝利でそれまでの全ての損失を取り戻すことができる。(全損まではトレードセット毎で全勝できることと同義)
欠点:
- 資金の枯渇リスク:連続して負け続けると、ベット額が急激に増加するため、資金が枯渇するリスクが高い。
- ベット上限:手持ちの資金が有限である以上、一定の限度を超えるとマーチンゲール法が機能しなくなる。
- 期待値の低さ:実際の確率と資金管理の面から見ると、長期的には期待値がプラスにならないことが多い。
- グラン・マーチンゲール法と同様に、海外FX詐欺によく使われます。
マーチンゲール法の応用例
- カジノでの使用:
- ルーレットのような偶数賭け(赤/黒、奇数/偶数)でよく使用されます。例えば、赤に$10を賭け、負けたら次に$20を賭け、さらに負けたら$40を賭けるという具合です。
- 投資での使用:
- 一部のトレーダーが、株式や通貨取引においてマーチンゲール法を応用することがあります。例えば、レートが逆行した場合に買い増し・売り増しを行い、最終的にレートが反発したときに利益を得ることを狙います。FX自動売買では、(一時的ではあるが)初心者でも簡単に勝てる現象が得られるため、安易にトレード戦略に採用されるケースが散見し、投資詐欺の温床としても問題になっています。
マーチンゲール法の注意点
マーチンゲール法を使用する際には、以下の点に注意する必要があります:
- 資金管理の徹底:連敗が続いた場合に備えて、十分な資金を準備しなければなりません。
- リスクの理解:長期的に使用すると大きな損失を被るリスクがあることを認識しておく必要があります。
- 戦略の柔軟性:一つの戦略に固執せず、市場の状況や自身の資金状況に応じて柔軟に対応することが求められます(⇒ FX自動売買には不向き)。
まとめ
マーチンゲール法は、一見すると簡単で効果的な戦略のように見えますが、実際には高いリスクを伴います。そのため、使用する際には慎重な資金管理とリスクの理解が不可欠です。長期的に成功するためには、他の投資戦略やリスク管理手法と組み合わせることが推奨されます。海外FX詐欺で使われる手法なので、注意が必要です。
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