証拠金維持率の設定について

執筆者

【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269

FX会社の証拠金維持率の設定について、以下のポイントを詳しく解説します。

証拠金維持率の基本

証拠金維持率は、取引に必要な証拠金(必要証拠金)に対する純資産(有効証拠金)の割合を指します。計算式は以下の通りです。

  • 証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100

この比率が低くなるほど、ロスカットのリスクが高まります。

FX会社による設定の違い

FX会社により、各種設定が異なることがあります。

ロスカット水準の設定

  1. FX会社によってロスカットが執行される証拠金維持率は異なります。
  2. 例えば、GMOクリック証券では50%未満、ヒロセ通商では100%未満でロスカットが執行されます(執筆時点)。

柔軟な設定

  1. 一部のFX会社では、顧客が証拠金維持率を選択できるオプションを提供しています。
  2. 外為どっとコムでは10%刻みでロスカットレベルを設定可能です(執筆時点)。

コース別の設定

  1. 外為オンラインのように、取引コースによってロスカット水準が異なる場合もあります。

法規制の影響

日本では金融商品取引法により、FX会社の財務健全性を示す指標として自己資本規制比率を120%以上維持することが義務付けられています。これにより、FX会社は適切なリスク管理を行う必要があります。

証拠金維持率の判定方法

FX会社は主に2つの判定方法を採用しています。

リアルタイム判定(Aタイプ)
証拠金維持率が設定値を下回ると即座に強制決済が行われます。
定期判定(BタイプとCタイプ)
1日1回、特定の時間に証拠金維持率をチェックします。

Bタイプ:判定時に即座に強制決済
Cタイプ:追加入金や一部決済の猶予期間あり

設定の目的

投資家保護:
過度な損失を防ぐため
リスク管理:
FX会社自身の財務健全性を維持するため
法令遵守:
金融規制に対応するため

FX会社は、これらの要因を考慮しながら、競争力のある取引環境を提供するために証拠金維持率を設定しています。トレーダーは、自身のリスク許容度に合わせてFX会社を選択することが重要です。

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