フィボナッチゾーン・ピボット(Fibonacci Zone Pivot Points)
フィボナッチゾーン・ピボット(Fibonacci Zone Pivot Points)は、テクニカル分析において価格のサポートおよびレジスタンスレベルを特定するための指標の一つです。フィボナッチ数列とピボットポイントの概念を組み合わせたものであり、潜在的な価格反転点(未来のチャートポイント)を見つけ、未来の値動きを読むのに役立ちます。よって、フィボナッチゾーン・ピボットは、FXトレーダーには必携のインジケータと言えます。この記事では、フィボナッチゾーン・ピボットの基本概念、計算方法、利点とデメリット、具体的な使用例について詳しく説明します。
執筆者
【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269
Contents
フィボナッチゾーン・ピボットの基本概念
- 定義:
- フィボナッチゾーン・ピボットは、ピボットポイントとフィボナッチ数列を組み合わせたテクニカル指標です。これにより、価格のサポートおよびレジスタンスレベルを特定し、トレードのエントリーポイントやエグジットポイントを見つけるのに役立ちます。
- ピボットポイント:
- ピボットポイントは、前日の高値、安値、終値を基に計算される価格レベルで、現在のトレンドの方向性を示す指標です。
- フィボナッチ数列:
- フィボナッチ数列は、1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, …と続く数列で、各数がその前の2つの数の合計となります。フィボナッチ比率(例:0.382、0.618、1.618)は、価格のリトレースメントや延長の計算に使用されます。
フィボナッチゾーン・ピボットの計算方法
- ピボットポイントの計算:
- ピボットポイント(P)は、前日の高値(High)、安値(Low)、終値(Close)を基に計算されます。
P = (High + Low + Close)/ 3
- フィボナッチレベルの計算:
- フィボナッチレベルは、ピボットポイントを基に特定のフィボナッチ比率を適用して計算されます。主要なフィボナッチ比率は、0.382、0.618、1.618です。
- レジスタンスレベルの計算:
- レジスタンス1(R1):
R1 = P + (High – Low) x 0.618
レジスタンス2(R2):
R2 = P + (High – Low) x 1.000
レジスタンス3(R3):
R3 = P + (High – Low) x 1.382
- サポートレベルの計算:
- サポート1(S1):
S1 = P – (High – Low) x 0.618
サポート2(S2):
S2 = P – (High – Low) x 1.000
サポート3(S3):
S3 = P – (High – Low) x 1.382
フィボナッチゾーン・ピボットの利点
- 信頼性の向上:
- フィボナッチゾーン・ピボットは、複数の価格レベル(サポートおよびレジスタンス)を提供するため、トレーダーが価格の反転点を見つけやすくなります。
- 使いやすさ:
- ピボットポイントとフィボナッチ比率を組み合わせることで、簡単に価格レベルを計算でき、トレードの計画に役立ちます。
- 多用途:
- フィボナッチゾーン・ピボットは、デイトレード、スイングトレード、長期投資など、さまざまなトレードスタイルに適用できます。
フィボナッチゾーン・ピボットのデメリット
- 過去データの依存:
- フィボナッチゾーン・ピボットは、過去の価格データに基づいて計算されるため、市場の変動やニュースなどの影響を受けやすいです。
- フィルターの必要性:
- 他のテクニカル指標と組み合わせて使用しないと、誤ったシグナルを生成することがあります。
- 適用が難しい市場:
- ボラティリティが非常に高い市場や、トレンドが明確でない市場では、フィボナッチゾーン・ピボットが効果的に機能しないことがあります。
フィボナッチゾーン・ピボットの具体例
- 例1:日足のフィボナッチピボット
- 前日の高値:1.1500
前日の安値:1.1300
前日の終値:1.1400 - ピボットポイント(P)の計算:
- P = (1.1500 + 1.1300 + 1.1400) / 3 = 1.1400
- レジスタンスおよびサポートレベルの計算:
- レジスタンス1(R1):
R1 = 1.1400 + (1.1500 – 1.1300) x 0.618 = 1.1400 + 0.0076 = 1.1524
レジスタンス2(R2):
R2 = 1.1400 + (1.1500 – 1.1300) x 1.000 = 1.1400 + 0.0124 = 1.1600
レジスタンス3(R3):
R3 = 1.1400 + (1.1500 – 1.1300) x 1.382 = 1.1400 + 0.0324 = 1.1676
サポート1(S1):
S1 = 1.1400 – (1.1500 – 1.1300) x 0.618 = 1.1400 – 0.0076 = 1.1276
サポート2(S2):
S2 = 1.1400 – (1.1500 – 1.1300) x 1.000 = 1.1400 – 0.0124 = 1.1200
サポート3(S3):
S3 = 1.1400 – (1.1500 – 1.1300) x 1.382= 1.1400 – 0.0324 = 1.1124
まとめ
フィボナッチゾーン・ピボット(Fibonacci Zone Pivot Points)は、ピボットポイントとフィボナッチ数列を組み合わせたテクニカル指標で、価格のサポートおよびレジスタンスレベルを特定するのに役立ちます。この方法は、価格の反転点を見つけるために広く使用され、トレードのエントリーポイントやエグジットポイントを特定するのに役立ちます。フィボナッチピボットの利点とデメリットを理解し、他のテクニカル指標と組み合わせて使用することで、効果的なトレード戦略を構築することができます。
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