クロス円

2024年9月19日

執筆者

【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269

クロス円(Cross Yen)とは、円を含む通貨ペアのうち、ドルを介さずに直接取引される通貨ペアを指します。一般的には、円と他の主要通貨との組み合わせです。例えば、ユーロ/円(EUR/JPY)、ポンド/円(GBP/JPY)、オーストラリアドル/円(AUD/JPY)などがあります。クロス円の取引は、外国為替市場で非常に重要な役割を果たしています。

クロス円の特徴

ドルを介さない取引
クロス円はドルを介さない取引であり、直接的に二つの通貨の交換を行います。これは、米ドルを経由しないため、取引コストを抑えることができます。
ドルを介さない取引
クロス円はドルを介さない取引であり、直接的に二つの通貨の交換を行います。これは、米ドルを経由しないため、取引コストを抑えることができます。
取引量の多さ
日本円は世界で最も取引される通貨の一つであり、特にユーロ/円やポンド/円などは取引量が多く、市場の流動性が高いです。
ボラティリティ
クロス円の通貨ペアは、為替レートの変動が大きいことが多く、ボラティリティが高い傾向があります。これは、二つの異なる経済圏(例えば、欧州と日本)の影響を受けるためです。
リスク管理
クロス円の取引は、為替リスクを管理する手段としても利用されます。特に、輸出入企業や多国籍企業は、クロス円の取引を通じて為替リスクをヘッジします。

クロス円の主要通貨ペア

ユーロ/円(EUR/JPY)
欧州と日本の経済状況や金利政策の影響を強く受けます。ユーロ圏と日本の経済指標や政治情勢が為替レートに影響を与えます。
ポンド/円(GBP/JPY)
イギリスと日本の経済状況や政治情勢の影響を受けます。特に、イギリスの経済指標が重要です。
オーストラリアドル/円(AUD/JPY)
オーストラリアと日本の経済状況、特にオーストラリアの鉱物資源価格や日本の貿易動向が影響します。
ニュージーランドドル/円(NZD/JPY)
ニュージーランドと日本の経済状況や農業製品の価格動向が影響します。
カナダドル/円(CAD/JPY)
カナダと日本の経済状況、特に石油価格やカナダの経済指標が影響します。

クロス円の取引戦略

経済指標の注視
クロス円の通貨ペアは、各国の経済指標(GDP成長率、失業率、インフレ率など)の影響を強く受けるため、重要な経済指標の発表時には注意が必要です。
金利差の利用
クロス円の通貨ペアは、金利差を利用したキャリートレードの対象になることが多いです。高金利通貨と低金利通貨の組み合わせを取引することで、金利差益を狙うことができます。
テクニカル分析
ボラティリティの高いクロス円の通貨ペアは、テクニカル分析を利用した短期取引にも適しています。チャートパターンやトレンドライン、移動平均線などを用いて取引のタイミングを見極めます。
ニュースとイベントのフォロー
各国の政治的なニュースや経済イベントは、クロス円の通貨ペアに大きな影響を与えます。例えば、EU首脳会議や日本銀行の金融政策決定会合などが該当します。

クロス円の影響要因

経済指標
各国の経済指標(雇用統計、消費者物価指数、製造業指数など)は、クロス円の為替レートに直接影響を与えます。
金利政策
各国の中央銀行(日本銀行、欧州中央銀行、イングランド銀行など)の金利政策や金融政策も大きな影響を及ぼします。
政治情勢
各国の政治的な安定性や政策変更、選挙などが為替レートに影響を与えます。例えば、ブレグジット関連のニュースはポンド/円に大きな影響を与えました。
市場のセンチメント
投資家のリスク選好やリスク回避の動きがクロス円に影響します。市場がリスクオフの状態にある場合、安全資産としての円が買われる傾向があります。

まとめ

クロス円(Cross Yen)は、日本円を含む通貨ペアのうち、ドルを介さずに直接取引される通貨ペアのことを指します。ユーロ/円(EUR/JPY)、ポンド/円(GBP/JPY)、オーストラリアドル/円(AUD/JPY)などが主要なクロス円の通貨ペアです。これらの通貨ペアは、各国の経済指標、金利政策、政治情勢、市場のセンチメントなどの影響を受け、取引戦略を立てる上で重要な要素となります。クロス円の取引は、リスク管理や利益追求のために多くの投資家や企業が利用しています。

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