FX会社が行うカバー取引について
執筆者
【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269
FX会社の利益構造の中で行う「カバー取引」について詳しく解説します。
カバー取引の定義
カバー取引とは、FX会社が顧客から受けた注文と反対の内容の注文を、別の金融機関(いわゆるカバー先)に対して行うことです。これは主にFX会社のリスク回避のために実施されます。
カバー取引の仕組み
- 顧客からの注文受付:例えば、顧客から米ドル/円の1万ドルの買い注文を受けます。
- 反対注文の実行:FX会社は、カバー取引先の金融機関に対して1万ドルの米ドル/円の売り注文を出します。
- ポジションの相殺:これにより、FX会社は為替変動リスクを回避し、スプレッド分の収益を確保します。
カバー取引の目的
- リスクヘッジ:為替変動によるFX会社の損失を防ぎます。
- 大口注文への対応:顧客からの大きな注文にも安全に対応できます。
- ポジション調整:FX会社内のポジションを一定量に保つことができます。
カバー取引の特徴
- 全ての注文に対してカバー取引を行うわけではありません。
- FX会社によってカバー取引の方法や頻度が異なります。
- 一般的に、顧客の取引量の約4割程度のカバー取引が行われています。
マリー取引との関係
マリー取引とは、FX会社が自社内で顧客の同一通貨の売り注文と買い注文を結びつけて相殺することです。マリー取引で相殺できなかった分をカバー取引することで、効率的なリスクヘッジが可能になります。
カバー取引の重要性
- FX会社の安定性:適切なカバー取引は、FX会社の経営安定性につながります。
- 顧客への影響:カバー取引の状況は、スプレッドや取引条件に影響を与える可能性があります。
- 透明性:FX会社は未カバー率を公表しており、これは顧客が会社を選ぶ際の重要な指標となります。
カバー取引は、FX会社のリスク管理と収益構造の重要な要素であり、顧客にとっても取引の安全性や条件に影響を与える重要な要因です。FX取引を行う際は、各会社のカバー取引の状況(質と量)を確認することが賢明です。
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