アセットアロケーションとアセットロケーションの違い

執筆者

【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269

アセットアロケーションアセットロケーションは、いずれも資産運用に関連する概念ですが、目的や適用の仕方に大きな違いがあります。

アセットアロケーション(Asset Allocation)

アセットアロケーションは、資産の配分を意味し、投資ポートフォリオを複数の資産クラス(株式、債券、現金、不動産など)に分散して配分することで、リスクを管理し、リターンを最適化する戦略です。

目的
リスクを分散しながらリターンを最大化すること。異なるリスク・リターンの特性を持つ資産を組み合わせ、投資のバランスを取ります。
方法
株式、債券、現金、コモディティ、リート(不動産投資信託)など、異なる資産クラスに投資することで、リスクを分散します。投資家のリスク許容度、投資期間、目標に応じて資産の配分を調整します。
重要な要素
リスク許容度、目標リターン、投資期間。
若い投資家は株式70%、債券20%、現金10%という配分を選び、リスクを取りつつ長期的な成長を目指す。退職を迎えた投資家は、債券の比率を高めて、リスクを抑えつつ安定した収益を期待する。

アセットロケーション(Asset Location)

アセットロケーションは、資産の税効率を最大化するために、どの資産をどの種類の投資口座に配置するかを考える戦略です。異なる口座(課税口座、税優遇口座、非課税口座)に資産を適切に配置することで、税金負担を抑え、長期的なリターンを最大化することが目的です。

目的
税金を最小化し、リターンを最大化すること。特定の資産を税優遇口座や課税口座に配置することで、税制のメリットを享受します。
方法
課税口座や税優遇口座、非課税口座の特性に応じて資産を配置します。例えば、配当収入や債券の利息が多い資産は税優遇口座に、株式やインデックスファンドのような長期のキャピタルゲインを狙う資産は非課税口座に配置することで、税負担を抑えます。
重要な要素
口座の種類(課税口座、税優遇口座、非課税口座)、資産の税効率。
・配当を多く出す株式や債券を税優遇口座に置く。
・成長を期待できる株式やファンドを非課税口座(Roth IRAやNISA)に置き、税金を免除。

アセットアロケーションとアセットロケーションの比較

項目アセットアロケーションアセットロケーション
目的リスクを管理しつつリターンを最大化する税効率を高めてリターンを最大化する
焦点資産クラスの配分(株式、債券、現金など)資産の配置場所(課税口座、非課税口座、税優遇口座など)
リスク管理複数の資産クラスに分散することでリスクを軽減税効率を考慮して資産を適切な口座に配置することで、税金リスクを軽減
影響する要素投資家のリスク許容度、投資目標、投資期間口座の税制、資産の税効率

まとめ

アセットアロケーションとアセットロケーションは、両者ともに投資戦略において互いに補完し合う重要な要素であり、投資家が最大のリターンを得るために、両方を適切に考慮する必要があります。

アセットアロケーション
アセットアロケーションは、投資資産を分散することにより、リスクとリターンのバランスを取るための戦略です。長期的な投資目標に基づいて、適切な資産クラスに資金を配分します。
アセットロケーション
アセットロケーションは、どの資産をどの口座に配置するかを考え、税効率を高めることに焦点を当てた戦略です。資産の税効率を最大化することで、最終的なリターンを向上させることを目指します。
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