シカゴ・マーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange, CME)

2024年9月19日

執筆者

【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269

シカゴ・マーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange, CME)は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴに本拠を置く、世界で最も重要なデリバティブ取引所の一つです。略称はCMEで、1874年に「Chicago Butter and Egg Board」として設立され、最初はバターと卵の取引を中心にしていましたが、1919年にCMEとして再編され、農産物の先物取引を中心に発展してきました。

主要な特徴

多様な取引商品
CMEでは、農産物(穀物、肉、乳製品など)に加え、金利、通貨、株価指数、エネルギー、金属など、幅広い金融および商品デリバティブが取引されています。
電子取引プラットフォーム (Globex)
1992年に立ち上げられたGlobexは、CMEの24時間稼働の電子取引プラットフォームです。これにより、世界中のトレーダーがいつでも取引に参加できるようになりました。Globexはデリバティブ市場の標準となっており、その取引量の大半を占めています。
取引所の統合
CMEは2007年にシカゴ・ボード・オブ・トレード(CBOT)を、2008年にはニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)およびコモディティ取引所(COMEX)を統合しました。これにより、CMEグループは、世界最大のデリバティブ市場を運営する企業へと成長しました。
クリアリングハウス
CMEはまた、取引の清算業務を行うクリアリングハウスも運営しています。これにより、取引の安全性と信頼性が確保されています。クリアリングハウスは、取引のリスクを管理し、各取引の履行を保証する役割を担っています。
金融商品とリスク管理
CMEは、先物やオプション取引を通じて、農業、エネルギー、金融などの産業がリスク管理を行うための市場を提供しています。特に金利先物(例:米国国債)や通貨先物(例:ユーロ/ドル)などが重要な役割を果たしています。

役割と影響

CMEは、世界的な価格発見の中心地として機能しており、特に農産物、エネルギー、金融商品の価格設定において世界的な影響力を持っています。各国の投資家、企業、ヘッジファンドがCMEを利用して、価格変動リスクを管理し、投資機会を探っています。

まとめ

シカゴ・マーカンタイル取引所は、デリバティブ取引の中心地として、世界中の投資家や企業にとって欠かせない市場です。電子取引の普及と取引所の統合により、その規模と影響力はますます拡大しています。CMEは今後も、グローバルなリスク管理と価格発見のプラットフォームとして、重要な役割を担い続けるでしょう。

Reference

EA EAPO