アルーン・インジケータ(Aroon Indicator)
執筆者
【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269
Aroonインディケーター(Aroon Indicator)は、トレンドの方向と強さを評価するために使用されるテクニカル分析ツールです。1995年にTushar Chandeによって開発されたこのインディケーターは、特定の期間内における高値と安値の発生時間を測定し、トレンドの転換点や持続性を見極めるのに役立ちます。
Contents
Aroonインディケーターの基本概念
- 定義
- Aroonインディケーターは、一定期間内における価格の高値と安値の発生位置を基に計算される指標で、上昇トレンドと下降トレンドの強さを評価します。
- 構成
- Aroonインディケーターは2つのラインで構成されます。
Aroon Up(アローンアップ):一定期間内での最新の高値からの日数を基に計算される指標。
Aroon Down(アローンダウン):一定期間内での最新の安値からの日数を基に計算される指標。
Aroonインディケーターの計算方法
- Aroon Upの計算
- 計算式:
Aroon Up = (n – 高値の日数) / n x 100
ここで、nは計算期間の日数(通常は25日)、高値の日数は期間内での最新の高値が発生してからの日数です。
- Aroon Downの計算
- 計算式:
Aroon Up = (n – 安値の日数) / n x 100
ここで、安値の日数は期間内での最新の安値が発生してからの日数です。
Aroonインディケーターの解釈
- Aroon UpとAroon Downの値
- Aroon Upが高い(70以上):最近の高値が発生しており、上昇トレンドが強いことを示します。
Aroon Downが高い(70以上):最近の安値が発生しており、下降トレンドが強いことを示します。
- Aroon UpとAroon Downの交差
- Aroon UpがAroon Downを上抜ける:上昇トレンドの開始を示唆します。
Aroon DownがAroon Upを上抜ける:下降トレンドの開始を示唆します。
- Aroon UpとAroon Downの距離
- 両者の距離が広いほど、トレンドが強いことを示します。距離が狭い場合は、トレンドが弱まっているか、レンジ相場である可能性があります。
Aroonインディケーターの利点
- トレンドの転換点を見極めやすい
- Aroonインディケーターは、トレンドの開始や終了を示すシグナルを提供するため、トレンド転換点を見極めるのに役立ちます。
- トレンドの強さを評価
- Aroon UpとAroon Downの値を比較することで、トレンドの強さを評価できます。
- シンプルな計算
- 計算がシンプルで、容易に理解できるため、初心者にも扱いやすいです。
Aroonインディケーターのデメリット
- レンジ相場での信頼性低下
- レンジ相場やボラティリティが低い市場環境では、Aroonインディケーターの信頼性が低下することがあります。
- 他の指標との併用が必要
- 単独で使用する場合、誤ったシグナルを生成する可能性があるため、他のテクニカル指標(RSI、MACDなど)と併用することが推奨されます。
- タイムラグの可能性
- 市場の動きに対する反応が遅れることがあるため、タイムラグが発生することがあります。
Aroonインディケーターの具体例
- 例1:Aroon UpとAroon Downの交差
- 状況:株価がレンジ相場から上昇トレンドに転換する場合。
解釈:Aroon UpがAroon Downを上抜けると、上昇トレンドの開始を示唆します。これにより、買いシグナルが発生します。
- 例2:トレンドの強さの評価
- 状況:株価が強い上昇トレンドにある場合。
解釈:Aroon Upが70以上で維持され、Aroon Downが30以下で推移している場合、上昇トレンドが強いことを示します。この状況では、買いポジションを維持することが推奨されます。
まとめ
Aroonインディケーター(Aroon Indicator)は、トレンドの方向と強さを評価するための有効なツールです。Aroon UpとAroon Downの値や交差を分析することで、トレンドの転換点や持続性を見極めることができます。レンジ相場での信頼性低下や他の指標との併用の必要性に注意しながら、Aroonインディケーターを活用することで、効果的なトレード戦略を構築することが可能です。
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